年末になると、昔はどこの企業でも地元の印刷屋に企業名が入ったカレンダー印刷を注文し、年末年始の営業用のアイテムとして活用していたものでした。パソコンがまだそれほど普及しておらず、印刷技術が一般人からは遠いところにあった時代の話です。その頃は、営業用のアイテム作成となると、ちょっとした予算が要るものでした。ですから、逆に言うとそういった営業用アイテムのグレードが、その企業の資本力の印象を決定づけるという意味合いがあったものです。
一流企業になるほど、お金をかけた営業用グッズを作ることができるのだという、社力の象徴と言ったところでしょう。しかし、現代ではその法則はほとんど通用しなくなってきました。パソコンの普及や印刷技術の一般化、印刷業者による値下げ競争によって、昔では考えられなかった激安価格で非常に質の高い印刷物が作成できるようになったのです。もちろん、それはカレンダー印刷も例外ではありません。
ネットで検索すると、今は驚くべき数の印刷業者が『激安印刷』の名目を掲げ、企業用名入れカレンダー印刷をおこなっています。材質や仕様、卓上や壁掛けなどの種類もほぼ自由に選ぶことができ、画像テンプレートも無数にあります。組み合わせによってはほぼ同業他社とかぶることのない完全オリジナルのようなカレンダーが作成でき、それが激安価格というのですから、今後はカレンダー印刷も通販が主流となってゆくのでしょう。個人向けとなると、業者によっては何と無料テンプレートまで配布するところが出てきました。
子供と一緒に組み立てたり、塗り絵式の無料テンプレートなどもあり、個人ではカレンダーを購入する必要さえなくなりつつあります。印刷業界は競争の激しい分野のひとつでもありますが、わたしたち消費者にとっては、非常に有難い時代になったものです。